2011年11月11日金曜日

晩秋の虫たち

蜜の吸いようのない、しおれた花にとまっていたモンシロチョウ





















屋上に鉢植えのルリマツリがある。
プルンバーゴとも呼ばれる、アフリカ原産のこの植物は、成長力旺盛で、陽光を浴びながら、わさわさと繁っていく。半ツル性で、横方向にも広がっていくので、隣のジャスミンがちょっと迷惑そうだ。

密度の濃い、鮮やかな緑のなかで、水色のきりりとした五弁花が、赤ちゃんの握りこぶしほどかたまって、あちこちに咲く様子を見ていると、「陽気」「健全」「逞しい」という言葉が浮かんでくる。若々しい母親のような、見るひとの気持ちを明るくする花だ。

初夏から晩秋まで、途切れることなく次々に咲きほこり、楽しませてくれるルリマツリだが、さすがに、この時季ともなると、花も終わりだ。

そんな最後の花に、モンシロチョウがとまっていた。
早朝の青い光のなかで、かろやかに花弁に脚をつけている。
近づいても、微動だにしない。蜜を吸っている様子もない。
なんとなく、天寿の全うを、静かに待っているようにみえる。
その姿が美しい。

ルリマツリの花のように、モンシロチョウも、春から秋にかけて2ヶ月ほどの寿命を繰り返す。
蝶であるのは2週間ほどで、その間に交尾をし、卵をうみ、死ぬ。
晩秋にさなぎになったものは、さなぎのまま冬を越す。来春、一番で舞う蝶は、さなぎで冬を越したものたちだ。

先日の君なのか?
シマトネリコを剪定しているとき見つけたカマキリは、おなかがぽってりふくらんでいて、明らかに卵をもっていた。その時は、切り落とした枝葉に混ぜて、捨ててしまうといけないので、屋上に避難させた。

この朝、屋上で見かけたカマキリは、随分すっきりスマートになっていた。あの時のカマキリだとしたら、どこかで卵を産んだのだろう。
彼女も、役目を終え、暫くの人生を楽しんでいるのだ。

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