2011年10月30日日曜日

Olympus PEN+Nokton25㎜

優等生なZuiko Digital ED 12㎜ とPEN
マイクロフォーサーズ規格のカメラとレンズを入手した。
オリンパスの大ヒット、ミラーレス一眼、PEN E-P3とZuiko Digital ED 12㎜ F2.0。勢いあまって、コシナのNokton25F0.95も

オリンパスといえば、一連の騒動で、なにやら不穏な空気が漂っているが、製品自体の魅力に傷がつくわけではない。

実際に使ってみると、コンパクトなサイズには、フルサイズ一眼にくらべ、どこにでももっていきたいと思わせる点で、大きなアドバンテージがあることを、改めて実感。

まさにカメラ界のスニーカー。散歩や旅先のお供にぴったり。
たすき掛けして、自転車で鬼コギしても全然苦にならないし。

レンズの印象は…
Zuiko ED 12㎜は、高い解像度と真面目な描写に好感。
優秀なレンズであることは間違いないけれど、ともすると、冗談をいわない優等生みたいだ。正論一点張りの精緻な描写を見ていると、おい、ゲーセン(古い!)行こうぜと声をかけたくなる。
フォーカスリングをスライドさせて、瞬時にAF/MFの切り替えができるアイデアは、素晴らしい。

いっぽうNokton25㎜のほうは、真っ黒な筐体、ずしりと手に来る重さ、マニュアルフォーカスオンリーという潔さで、はなっから、女子供を寄せつけない。
際だっているのは、開放F0.95!!という明るさ。人間の眼は、F値に換算すると1.0ほどというから、ヒトの眼よりも明るいという、なんだか生意気なレンズだ。

噂のちょい悪レンズ。MFオンリーなうえ、解放時の
ピントがシビアなので、ビューファインダーは必須
しかし、ひとたび、人物や花などを撮らせると、はっとするような艶めかしさを醸しだす。
特に、開放近辺の危ういほどの柔らかな描写、独特の空気感は、他に代え難いものがある。

決して万人向けではないけれど、只者ではないこのレンズ、とても気に入っている。


こんな、思い切った製品を世にだす英断を下した、コシナの誰かさん、えらい!と世の片隅から、こっそりエールを送っている。

そんなわけで、今のところ、散歩のお供には、圧倒的にNokton25㎜の出番が多い。

2011年10月26日水曜日

KLATTERMUSEN

バックパックでこのカラーリング。グーです
早朝の公園で、北欧のバックパック“KLATTERMUSEN”の撮影。

クレッタルムーセン…
初めて耳にしたときは、どこかの国の偉い建築家か? はたまた、クリーミーでアツアツの本格的北欧料理なのか? なんて色々想像してしまったが、実は、スウェーデンのアウトドアギアブランドの名前だ。
ブランドネームの本当の意味は、“山ネズミ”。
お洒落な三角定規だろ、と思っていた、ブルーのロゴが、ネズミの顔をモチーフにしたものだと知り、嘘だろと呟く。

ネズミの顔に見えますか?

本格的なアルピニストにも支持されているバッグは、びっくりするほど快適な背負い心地。
それでいて、機能一点張りというわけでなく、カラーリングや素材、留め金ひとつとっても、丁寧にデザインされていて、格好いい。鮮やかなイエローグリーンが美しいバックパックなどは、山ガールのハートをビシビシ射止めるはず、と勝手に想像する。

モデルは、ハヤトくん。長身、痩身、サンドイッチ二人前をぺろりとたいらげる、笑顔が素敵なナイスガイ。バンドで、ギターとボーカルやってるなんて。出てきたおなかをへこませようと、ちょっとジョギングしたら、歩くたびに膝からポクポクおかしな音が出るようになった僕とは、隔絶の感がある。
若人の輝ける未来に完敗。ではなく乾杯。


Thank You!  ハヤトくん

2011年10月24日月曜日

代々木公園顔ってことですか?

こちらが代々木公園

しばらく前の残暑日のこと。
北参道から明治神宮にはいり、大鳥居の手前を西に折れて、うっそうとした杜へ入ろうとしたら、詰め所から初老の警備員さんが小走りに出て来て、「ちょっと。ちょっと。ここは、代々木公園じゃありませんよ」と、咎めるような調子で声をかけてきた。
見回してみても、近くには僕しかいない。自分に投げかけられた一言なのである。

え、なんで?

別に、ここ代々木公園ですよね?と尋ねたわけじゃない。
確かに、代々木公園と明治神宮は隣接している。なかには間違える人もいるだろう。しかし、こちらは、ここが明治神宮だということを認識し、北池の前に広がる、あの素晴らしい草原の木陰のひとつで、読書を楽しもうという確固たる意志をもって、やってきたわけで。
にもかかわらず、眼前に立つ警備員さんは、僕の姿を認めたとたん、「ぬぬ、あやつ、代々木公園と勘違いしている」と、即断、ダッシュをかけたのだ。
その根拠やいかに!

静かに瞼を閉じ、「こちらが、明治天皇の御霊をお祀りした鎮守の杜であることは、重々承知しております」と胸の前で合掌してもよかったが、40半ばにして人見知りの僕は、ごく普通の調子で「そうですよね。ここ明治神宮ですよね」とだけ、答えるにとどめた。
こちらの返答は、先方にも予想外だったのだろう、件の警備員さんは、一瞬えっという顔になったあと、「あ、そうですか。最近、代々木公園と間違える方が多いもので」という台詞と、曖昧な苦笑いを残して、詰め所に帰っていった。
全然腑に落ちない僕を残して。
こちらが、判断の根拠を尋ねる隙を与える間もなく…。

そうか、そうだよな。この服装だものな。いかにも、代々木公園にいそうだものな。なんならフリスビー投げそうだものな。股の下から。
そう納得しようとした、Tシャツ、短パン姿の私のすぐ横を、同じくTシャツ短パン姿の若者が、ヘッドフォンをシャカシャカいわせながら、玉砂利を踏み踏み通り過ぎていく…。
見回すと、付近は、Tシャツ短パンだらけである。
なかには、不安そうに、案内板とガイドブックを交互にみている、外国人バックパッカーの姿さえも。
なぜ、彼らはスルーで、僕アウト?

ひょっとして、代々木公園っぽい顔とか、あるのだろうか?

こちらは明治神宮 北池前の草原。春秋、静かに過ごすのにおすすめ